大久保ヒロミ「くねくねまんが道」インタビュー後編

大久保ヒロミの「くねくねまんが道だな」(後編)
前編ではデビューから子育て論について語ってもらった。後編では読者からのツッコんだ質問を更にぶつけてみた。

>>前編はこちら

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P1040209.jpg――おやつに対する意思は弱いですね?

だぁはははははぁ~!!なんなんこの質問!!
弱いよ~!!おやつに対する意思はゼロゼロ。

――おやつ大好き?

大好き大好き!!ついつい食べっぱなし!!

――例えばここにシュークリームがあって好きな時間に食べていいよって言ったら?

すぐ食べる!!そりゃ食べるよ~目の前にあるんだもん。どんなにお腹いっぱいでも食べる感じ。

――食いしん坊っすね。

それもあって監視の行き届いたOLになりたい。

――漫画家は締切さえ守れば時間をどう使ってもいいからついつい?

そりゃ~意思なんてないないない。


P1040212-1.jpg――おなか周りのお肉が気になりますか?

気になるよ~そんなのもう。

――お腹まわりについたお肉はもう取れないね。

ははは、もう取ろうなんて思ってない。いや~ちょっと思うか!!
まぁもうね腹出す事もないしね。


P1040218.jpg――未だにビリーに入隊していますか?

してない!脱退した。

――あれ今TRFじゃないの?

TRFも脱退した。

――ダイエット商品に対しては敏感だよね?結構段階踏んでますよね?

敏感かもね~踏んできた。だいたい2・3回やって終わりかな。

――短か!!でも新製品出たら買いますよね?

常に次こそは!!って感じかな。
売り方が上手いよ。「あの商品で駄目だったあなたがこれなら!」それにちゃんとハマる。そんで失敗する。

――こりゃまた新商品に手をつけますね?

つけると思う。まず旦那がつけるし、一緒につける。旦那もダイエットサプリとかやってる。

――旦那頑張ってんな~

でも旦那こそ酷いな~3日坊主ぶりは~う~ん。


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――過去作も含めてお年寄りが出てくるエピソードがとてもやさしく描かれているのは?

描いたことすら忘れるぐらいのナチュラルさで描いたかな。特別意識した事は ないけど、大人やお年寄りとかを見てきたとこがあるのかも。

――親父やお年寄りの背中を見て育つじゃないけどそんな感じが漫画に出ていると思う。

namida.jpg基本的に子供の頃から何故かおっ さんがすごい好きで、今でもそう。
例えば、コンビニの前でおっちゃんがアイスとか買って食べている姿見ると、もう涙がでちゃう。
あれだけ大人のおっちゃんがすご い頑張って仕事に生きて・・・でもちょっとした喜びがアイスとか、そう言うことに「ばぁーと」涙がでちゃう。おじいちゃんやおっさんの郷愁感にすごいグッとくるよ。

――郷愁感を知らず知らず求めているんだね。

う~ん。好きな動物おっちゃんみたいな。

――それが作品にちょっとずつ出ているんだね。

基本的に子供の頃からベースにあるのが「人間愛」「親子愛」「家族愛」とかであって、「恋」とか何とか元々興味がなかったの。人としての大きな「愛情」みたいな感じのほうに常に意識があったから。


人間ってもともと悪人はいないと思っていて。生まれた時はあかちゃんで悪人はいなくて、例えば世の中の犯罪者とかもそこに行き着いた理由が絶対ある訳で・・・。
友達や親とかずっと溜めてきた感情とかあって、それを知りたい!!常に常に知りたい!!

――人は溜めてきた感情を見せた時に素敵だと思うんだ?

素敵!素敵!私は知りたいのよ。 最近はあんまそんな事をしゃべりたくない人も多いし。

――逆にしゃべんない。

それは無理に聞く事もないけど。 常に分かり合いたいなと思ってる。

――このコマなんだけど「痛みが和らぐならもうちょっと抱っこしてなよ」ほんといいコマだと思う。
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父親はダメ人間だから、ちょっと 普通にした事がいいように映った。父親は、子供の頃から嫌いな人じゃなくて。そりゃ父親のせいで散々苦労してきたし、やんちゃでさぁ、働きもせず外で暴れてくるような人だったけど、この人が私の人生のベースとして何処かにある。

――この父親が大久保ヒロミの人格を作ったんだ。

大きな存在だよ。私のまわりの人達は、他人のちょっとした嫌な所が許せないって言ってる人もいるけど、人生のスタートがひどい父親だった私は、誰もが基本いい人に見えちゃう。

父親は無茶苦茶な人ではあるけど、すごい愛情をとにかく感じて・・・。
社会的にダメで人として酷い所があっても、父親の子供であったことで、ベースの愛情みたいな物は絶対私に培われたと思う。


――NHKあさイチ出演について

テレビに出ると本が売れるんだな~って思いました(笑)。

――NHKのディレクターの奥さんがあかドレを心の支えで読んでくれて、それに共感したディレクターさんが取材してくださったことは嬉しいよね。

嬉しいよね。当時忙しすぎて精神的に何が何やらわからない状態で取材を受けたけど、それが今になって、一期一会じゃないけど嬉しいなぁって思う。ありがとうございました。

――日常の風景を変えいくのは自分次第?

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――このシーンとって好きなんだけど走っている時は気づかない日常の風景でも時には立ち止まる事で見える風景もあるよね。

自分でこんな事描いてて、自分も日常を忘れる時もあるけど・・・。こんなシーンを描きたくて漫画家をやっている気がする。

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CIMG0422.jpg――「一丁目の心友たち」で大人からの友達作りをテーマに選んだのはなぜですか?

子供産んでからの友達作りってすごい難しいと思った。
大人になると子供の時みたいに、 恐れなく言い合ったりできないのが要因かなぁ。担当さんと相談しながらこの漫画 を描きました。


――子供の頃からの友達と大人になってからできた友達との付き合い方って違う?

むず2-1.jpgむずかしいこと言うね~

――昔からの友達には自分を出せるけど大人になると自分を出し切れてない友達もいると思う。その付き合い方って違う?

違うよ~

――違ってもそれってどっちも本当の自分なんだよね。

あーなるほど!いい事言ったなぁ。これは私の価値観なんだけど、大人になるとみんなどんどん、アホみたいな事で笑う事が無くなるの。

――「わー腹痛てーーーっ」みたいな?

そぉーーーーーーーー!!子供の頃の友達ってそんな感じで、しょうもない事で腹抱えて死ぬーって笑って!!

――共に死ぬほど大笑いした経験があるからこそ友達だって思えるよね。

そうなんだよね~私結構、大人の割には子供じみた精神だと思うので、ママ友とかしゃべる時にも密かにツッコんだりすると、完全にスルーされる。子供の頃ってツッコんだらツッコ み返して笑いあったりして、そこがすごい違うって思う。

――共有している時間が長いから笑いのツボが一緒になっているんだよね。

大人と会話していると「あー今、ツッコむところ!!」みたいな。

――ツッコみたいんだ。

それを大人に求めてもしょうがないけど、笑いたい。みんなもっとツッコもうよ(笑)!!

――そのママ友集まってどんな話をするの?

やっぱり一番多いのは旦那の悪口かな(笑)。そういう悪の組織だよね、ママ友って!!


――ビンボー魂が作品随所に見られるのだけど幼少期のトラウマですか?

P1040224-1.jpgそうですね。貧乏に関しては染みついたものだし消せないよね。現在も結構貧乏よ。

――またまた~旦那さん稼いでるしそうでもないでしょう?

家のローンをガンガン返したのでお金が無くなったって感じ・・・まだローン追ってます。私、幼少からの貧乏精神の為なのか、お金の価値がまったく分からない人で、稼いでも稼いでも口座にお金が増えていくと怖くなってすぐローン返す。


かね.jpgそれはお金があるに越したことは ないけど。
子供の頃や腐った二十代ぐらいの頃はまったくお金が入らなくて、「金持ちなりてー」とか漠然とあったけど。あかドレとかでちょっとはお金が入るようになっても、お金についてはなんの執着心もないかなぁ。

お金があればそれはそれで未知の世界を知る事もできるし、なければ無いでそれを楽しむ事もできる。いろいろ経験できる事もいい。
旦那は貯金が趣味で通帳見て貯まっていくのが好きみたい。

貧乏になっても何とかなるような気がする。


むず3.jpg――男女の友情って成立すると思いますか?

むずかしいこと言うね~

――またか!!



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airkare1kan-2.jpg――「エア彼」でヒロインの30歳へのカウントダウンが描かれていますが20代から想像する30代は怖かったですか?

私30までに死ぬと思ってたので。

――僕、ノストラダムスの大予言で20代で死ぬと思ってた。

あーっ思った!思った!!地球滅びなかった~

――小学校の先生がギャグでお前らノストラダムスの予言で死ぬと言う義務教育を受けました。(友情を大切にしろと言う例え)

ははは~なにその授業。

恐ろしいと言うか、30歳までにはこうなっているであろう理想をことごとく叶っていなかった言う意味では、30歳にはなりたくなかった。

――現実は厳しいよね。

リアとは感覚が違うけど20代で潰しの効くものが効かないって思うとやっぱ怖かったかな。



――ツトムと社長はどちらが理想の男子ですか?

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作者としてはツトム。

――今までの作品も描いている男はツトム系だよね。

私が男の人に対して抱いている中途半端さがキャラクターにでるよ(笑)。
しょうがないよ出るものは。

――強い男は描けない?

うぅぅ・・描けない!!

――純愛王道漫画を描いてみてどうでした?

描いてて楽しかった。


――最後に漫画家になって良かったですか?

昔、漫画家の友達とよく言ってたのが、漫画家の仕事ってホントにホントにホントに辛くてさぁ。99%辛いけど、残りの1%にある「楽しさ」が絶対他の仕事では味わえない幸せがある。それだけで続けてこれたと思う。
あ、でも最近はだいたい楽しく描けるようになりました(笑)。

――今後の作品について
ショート(16P)で「KIG彼氏いないガールズ」テイストで、研究所で美に長けてない女子達が美容について研究する物語です。

――出だしは好調な感じ?

私、出だしはいつも好調で、2話ぐらい描いたらもう力尽くって感じ。

――ダメじゃん!!


取材・2013年9月17日・文/撮影=YOU☆CAN(Life Cycle代表)